痔はいつも血が出る、痛いもの…、と思っていませんか? 実は痛くない痔もあるのです。
ここでは、知っているようで、あまり知られていない痔について解説しています。
痔というと、どんなイメージがあるでしょうか?
「痛い」「血が出る」といったイメージを浮かべる方も多いのですが、実は出血もなく、痛くもない痔というものもあります。
このため、ひと口に痔と言っても、さまざまな症状があります。こうした痔の症状や原因を知るために、まずおしりの仕組みを理解しておきましょう。



実は初期の胎児の肛門には穴は開いていません。子宮内で成長するにつれて、口のほうから下がってきた腸と、おしりからくぼんできた皮膚がつながって、一本の通り道になり肛門ができます。このつながった境界線は、「歯状線(しじょうせん)」と呼ばれ、歯状線より上は粘膜部分、下は皮膚部分となっています。
また、肛門内部と出口付近には静脈叢(じょうみゃくそう)と呼ばれる毛細血管が集まった部分があります。歯状線より上の直腸粘膜の静脈叢周辺には知覚神経(痛みを感じる神経)は通っていませんが、歯状線より下側の皮膚部分の静脈叢には、知覚神経が通っています。
このように肛門は、血管や神経などの構造のほか、伸縮性などが異なる2つの組織が同居したデリケートな構造になっています。


痔には、主にいぼ状のはれができる「いぼ痔(痔核)」、肛門の皮膚が切れる「きれ痔(裂肛)」、肛門に膿のトンネルができる「痔ろう」の3種類があります。
このうち、いぼ痔には、肛門内部にできる「内痔核(ないじかく)」と、肛門の外側にできる「外痔核(がいじかく)」とがあります。直腸粘膜側の組織には知覚神経が通っていないため、肛門内部にできるいぼ痔(内痔核)では痛みを感じないのですが、歯状線より下の皮膚部分には知覚神経が多く通っていますのできれ痔(裂肛)や、肛門の外側にできるいぼ痔(外痔核)には痛みを感じます。このように痛みの有無で痔のおおよその位置がわかります。
また、歯状線にあるくぼみに細菌が侵入して感染し、化膿した膿がトンネルを作って貫通すると、「痔ろう」になります。
それぞれの痔について、詳しくはこちらをご覧ください。

こうした痔になる主な原因としては、「便秘」や「下痢」、「排便時のいきみ」「座りっぱなし」などがあります。たとえば、便秘などで便が硬くなると、排便の際、肛門に圧力がかかり、出口が切れてきれ痔になったり、肛門の静脈叢と呼ばれる血管の集まった部分がうっ血して、いぼ痔になったりします。


痔の発症には、便秘や下痢、食事など、普段の生活習慣が大きく関わっています。
痔を治すために、薬を使うことも大切ですが、何より「生活習慣」を改善することが基本となります。健康的な生活を送るため、すでに痔の方も、自覚のない方も、痔と生活習慣との関係についてもっと知識を深めておきましょう!
