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意外と知らないからこそ、押さえておきたい「ツボ」のこと。

そもそも、ツボとは。

ツボは、東洋医学の概念に基づいています。東洋医学では、皮膚表面と内臓を結ぶ情報伝達系のルートを経絡といい、その上の特定の場所を経穴(ツボ)と呼びます。ツボは経絡に沿って、全身に点在しています。ツボを刺激することで経絡とつながる臓腑が活性化され、体調が整うというわけです。このようにツボや経絡を利用した治療法として、鍼(はり)や灸(きゅう)でツボを刺激する鍼灸(しんきゅう)、指でツボを刺激する指圧などがあります。

ツボの大きさには、個人差がありますが、親指の指頭大ぐらい。指先で押す面積ぐらいと考えてよいでしょう。その範囲で刺激すれば、ある程度の効果は見込めると言われています。組織学的には、特別な構造は見つかっていませんが、神経や血管が密集している傾向はあるようです。

ツボのメカニズムについて。

東洋医学の特徴的な考え方であるツボという概念ですが、その謎に包まれていたメカニズムは少しずつ解明されています。また、2008年にはWHO(世界保健機関)により、世界共通のツボとして361のツボが認定され、その治療効果の解明が進められつつあります。

・全身の主なツボ
・実は背中にはツボがたくさん

ツボの効果のメカニズムは次のように考えられています。体の皮膚や筋肉には多くの知覚神経が分布しており、この神経により「痛み」「かゆみ」「温感」「冷感」などの情報を受け取り大脳皮質の知覚神経中枢へ伝えます。つまりツボを刺激したときの皮膚や筋肉への刺激が、知覚神経を介して脊髄に入り、脊髄の脊髄視床路という経路を通って脳へと伝えられていくのです。脊髄を通り脳に伝わった情報は、脳にある次の3つの場所に届けられ、それぞれに違う作用が起こると考えられています。

①間脳に届く→自律神経系の調整作用
②下垂体に届く→オピオイドの鎮痛作用
③視床下部に届く→オキシトシンの抗ストレス作用

ツボと言うスイッチを押すことで、それぞれにペアとなっている部位が働きだしさまざまな効果が出るということです。

鍼と灸ってどう違う?

鍼は主に筋肉の緊張や慢性的なこり、慢性の関節痛など、主に手で触れられない部分の筋肉の緊張を取るのを主としています。一方、灸は主に内臓系、胃腸炎や更年期障害、自律神経失調症など身体のサイクルの乱れを整えるのにおススメです。鍼とお灸の施術にはそれぞれ特徴があるので、これらの施術を組み合わせることにより自己免疫力を高め、身体本来が持っている自然治癒力に働きかけることで、病気やケガからの回復を促します。

この記事の監修

九州看護福祉大学 大学院 看護福祉学研究科 健康支援科学専攻
看護福祉学部 鍼灸スポーツ学科
塚本 紀之 先生

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