ドクターに聞く
「気を付けていたつもりなのに…
どうして下痢は起こってしまう?」

やっぱり良くない、食べすぎ飲みすぎ
下痢は便の水分量増加により、その性状が無形軟便、泥状便、水様便になることを指します。急性下痢の原因としては、まず食べすぎ飲みすぎ、次に食中毒等の感染性腸炎があります。特に男性ではビールやチューハイ、ハイボールなど、冷たい炭酸系アルコールの飲みすぎが原因の方がおられます。
一方、慢性下痢の原因の一つとして、過敏性腸症候群があります。器質的な病気ではなく、主に極度の緊張やストレスなどが原因で起きるものです。その他には、牛乳などを飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢を起こしてしまう乳糖不耐症や、小麦などに含まれるタンパク質グルテンに小腸が過敏に反応するグルテン過敏症なども慢性下痢の原因として挙げられます。
順心神戸病院
白野純子 先生
ストレスや食生活の乱れ、過度なダイエットも要注意
下痢の種類は大きく分けて3つあります。一つ目は、腸の蠕動運動がアンバランスになって起こる下痢。緊張やストレスからくる過敏性腸症候群がそれにあたります。これは仕事の責任が増える働き盛りの男性に多いのですが、女性が活躍する現在では、女性にも同様に増加しています。ストレス以外にも、食生活の乱れも悪影響を与えますので、例えば夕食が夜9時以降になるようであれば、軽めの食事で済ませて、あまり遅くに脂っこい食事や消化の悪いものは控える方が良いでしょう。二つ目は、粘膜の障害により水分が吸収されなくなり起こる下痢で、食物アレルギーや食中毒などが原因です。これは、年齢や性別に関係なく誰にでも起こりえます。三つ目は、腸内の浸透圧が高くなり、水分バランスが取れなくなる下痢で、下剤やダイエットサプリの過剰な摂取などが原因。特にダイエットに励む若い女性に多く見られます。こうしたケースでは、市販のダイエットの薬やサプリメントなどに頼らずバランスの良い食事をするよう指導しています。
草間かほるクリニック 院長
草間香 先生