ドクターに聞く
「下痢になりやすい人って、どんな人?」

腸内細菌の質が重要。便秘を下痢と間違うケースも
若い頃から下痢をしやすい、いわゆるお腹の弱い人も多いのですが、これはその人の持つ腸内細菌の問題だと思われます。胎児の腸内は無菌です。腸内細菌は、出生後、口から入ります。いろいろな説はありますが、早くて9ヵ月、遅くても3歳ぐらいまでにはその人の腸に住みつく常在菌が決まると言われています。若い頃から、便秘や下痢になる人は、この常在菌のバランスが良くないことが考えられます。便通を良くするには、腸内細菌の餌となる食物繊維の摂取も必要ですが、ちゃんとバランスのとれた常在菌を持っていない状態で、餌だけ入れても腸の働きは改善されません。
また高齢者の場合、便秘と下痢を間違えてしまっているケースがあります。高齢になると便秘の方の割合が増えますが、腸内のビフィズス菌の減少がその原因の一つと考えられています。便秘の際、出口で固まった便の周囲から軟らかい便が漏れ、それを下痢と勘違いしてしまうのです。便秘なのに下痢止め薬を使ってしまうと、状態をより悪化させてしまいますので、注意しましょう。
順心神戸病院
白野純子 先生